「教員として働きたいけれど、いきなり正規教員になるのは不安……」
「非常勤講師として働いた場合、年収はいくらくらいになるの?」
「週何時間くらい働けば生活できる?」
このように、非常勤講師の給料や年収について気になっている人も多いのではないでしょうか。
非常勤講師は、正規教員とは異なり、勤務する時間数や担当する授業数によって収入が大きく変わります。
また、自治体によって「時給制」「時間数に応じた月額制」など報酬の仕組みも異なります。
この記事では、非常勤講師の月収・年収・時給の目安を具体的な数字を使って分かりやすく解説します。
非常勤講師の月収・年収の目安

非常勤講師の月収をざっくり考える場合、次のようなイメージになります。
| 勤務時間の目安 | 月収の目安 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 週10時間 | 約10万円 | 約120万円 |
| 週15時間 | 約15万円 | 約180万円 |
| 週20時間 | 約16~20万円 | 約200~240万円 |
| 週25時間 | 約20~25万円 | 約240~300万円 |
| 週30時間 | 約24~30万円 | 約290~360万円 |
※上記はあくまで目安です。自治体や契約内容、報酬の計算方法によって大きく異なります。税金や社会保険料などが差し引かれる前の金額を想定しています。
非常勤講師の「時給」はどれくらい?
非常勤講師の時給は自治体によってかなり違います。
実際の募集例を見てみましょう。
愛知県田原市の例
田原市では、令和7年度の「学びのみかた非常勤講師」の報酬が時給2,860円となっています。
大阪市の例
大阪市では、令和7年2月から非常勤講師の報酬を授業1時間あたり3,010円に引き上げています。
この金額には授業に付随する準備や評価の時間も含まれています。
姫路市の例
姫路市立高等学校の非常勤講師では、教科の授業等を行う場合、80分あたり2,933円という募集例があります。
80分で2,933円なので、単純に1時間あたりに換算すると約2,200円です。
このように、自治体によって報酬の設定方法そのものが違うことにも注意しましょう。
非常勤講師はボーナスをもらえる?
「非常勤講師はアルバイトのようなものだから、ボーナスはない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、現在の非常勤講師には、一定の条件を満たすことで期末手当・勤勉手当が支給される自治体があります。
例えば京都府では、基準日に任用されていることや、任用期間、週あたりの勤務時間など一定の条件を満たした場合、年2回の期末・勤勉手当が支給されます。
そのため、非常勤講師の年収を考えるときは、毎月の報酬だけでなく、
- 期末手当
- 勤勉手当
- 通勤手当相当額
- その他の手当
についても確認するとよいでしょう。
非常勤講師にも交通費は出る?
交通費についても、自治体によって支給条件が決められています。
例えば大阪市では、時間額の非常勤講師についても、交通費を費用弁償として支給する仕組みがあります。
ただし、支給額や上限、支給方法は自治体によって異なります。
そのため、採用前には「交通費は別途支給されるのか」「上限はいくらなのか」を確認しておきましょう。
非常勤講師は正規教員より年収が低い?

基本的には、同じ勤務時間で比較すると、非常勤講師の年間収入は正規教員より低くなることが多いです。
正規教員の場合は、基本給に加えて、地域手当、教職調整額、住居手当、扶養手当、期末・勤勉手当など、さまざまな給与・手当があります。
一方、非常勤講師は担当する授業時間などに応じて報酬を受け取る働き方が中心です。
ただし、非常勤講師の場合は勤務時間を抑えられることが大きな特徴です。
そのため、単純に「年収が低いから悪い」と考えるのではなく、働く時間や自由時間とのバランスを考える必要があります。
非常勤講師のメリット

①勤務時間を調整しやすい
非常勤講師の大きなメリットは、正規教員と比較して勤務時間を抑えやすいことです。
例えば週10~20時間程度の勤務であれば、教員以外の仕事や勉強、家庭の事情などと両立しやすくなります。
②授業に集中しやすい
非常勤講師は、基本的に担当する授業を中心に勤務します。
そのため、正規教員と比べて、学級担任や校務分掌などの業務を担当しないケースがあります。
「授業をすること自体は好きだけれど、担任業務や学校運営の仕事は避けたい」という人には向いている働き方です。
③教員経験を積める
教員採用試験を受験している人にとって、非常勤講師として実際の学校現場を経験できることは大きなメリットです。
授業の進め方、生徒との関わり方、教材研究など、大学の教職課程だけでは分からないことを経験できます。
④教員採用試験の勉強と両立しやすい
勤務時間を抑えた非常勤講師なら、空いた時間を教員採用試験の勉強に使うこともできます。
特に「教員採用試験に合格するまで非常勤講師として働く」という選択肢もあります。
非常勤講師のデメリット

①年収が安定しにくい
非常勤講師は勤務時間によって収入が変わるため、正規教員と比較すると年収が安定しにくい傾向があります。
特に担当する授業数が少ない場合は、月収もかなり低くなります。
②長期休業期間に注意
学校の夏休み・冬休みなどは、授業そのものが少なくなります。
そのため、契約内容によっては長期休業期間に勤務時間が減り、収入にも影響する可能性があります。
「月収×12か月」で単純に年収を計算するのではなく、年間の勤務予定を確認することが重要です。
③契約期間が決まっている
非常勤講師は会計年度任用職員などとして、期間を定めて任用されるケースがあります。
例えば東京都の令和8年度の日本語指導非常勤教員は、任用期間が令和8年4月1日から令和9年3月31日までとされています。また、再度任用される可能性がある場合でも、翌年度の任用が保証されるわけではありません。
非常勤講師は社会保険に加入できる?
勤務時間などの条件を満たした場合、非常勤講師でも社会保険の加入対象となる場合があります。
例えば京都府では、週の所定勤務時間が20時間以上で、月額報酬8万8,000円以上など、一定の条件を満たす場合に社会保険の加入対象となることが案内されています。
そのため、年収だけを見るのではなく、社会保険料や税金を差し引いた後の手取り額についても考える必要があります。
非常勤講師の年収まとめ
| 勤務時間 | 月収の目安 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 週10時間 | 約10万円 | 約120万円 |
| 週15時間 | 約15万円 | 約180万円 |
| 週20時間 | 約16~20万円 | 約200~240万円 |
| 週25時間 | 約20~25万円 | 約240~300万円 |
| 週30時間 | 約24~30万円 | 約290~360万円 |
非常勤講師の年収は、勤務時間・自治体・報酬制度・契約期間によって大きく変わります。
ざっくりと考えるなら、週10時間程度なら年収100万円台、週20時間程度なら年収200万円前後、週30時間程度まで働けば年収300万円前後になる可能性があります。
ただし、これはあくまで目安です。
非常勤講師の求人を見るときに確認したいポイント
- 時給・月額報酬はいくらか
- 1週間の勤務時間は何時間か
- 授業準備の時間は報酬に含まれるか
- 長期休業期間の勤務はどうなるか
- 交通費は支給されるか
- 期末・勤勉手当はあるか
- 社会保険に加入できるか
- 任用期間はいつまでか
- 翌年度に再任用される可能性があるか
非常勤講師は、正規教員と比べると年収は低くなりやすい一方で、勤務時間を抑えながら学校現場で働けるという大きなメリットがあります。
教員採用試験の勉強と両立したい人や、家庭・資格取得・他の仕事などと両立したい人にとっては、選択肢の一つになるでしょう。
