「教員になったばかりなのに、もう辞めたい……」
「思っていたより仕事が大変」
「毎日学校に行くのがつらい」
教員として働き始めたばかりの若手教員の中には、このような悩みを抱える人もいます。
教員は、授業をするだけが仕事ではありません。授業準備、生徒指導、学級経営、保護者対応、校務分掌、学校行事など、さまざまな業務を担当します。
特に若手教員の場合、仕事に慣れていない状態で多くの業務を覚えなければならず、負担を感じやすい時期でもあります。
この記事では、若手教員が「もう辞めたい」と感じる代表的な理由を紹介します。
この記事で分かること
- 若手教員が辞めたいと感じる主な理由
- 仕事量が多いと感じる原因
- 授業や学級経営の悩み
- 人間関係や保護者対応のストレス
- 「辞めたい」と思ったときに考えたいこと
若手教員が「もう辞めたい」と感じる理由10選

①仕事量が多すぎる
若手教員が辞めたいと感じる大きな理由の一つが、仕事量の多さです。
教員の仕事は、授業だけではありません。
- 授業準備
- 教材研究
- テスト作成
- 採点
- 成績処理
- 学級経営
- 生徒指導
- 保護者対応
- 会議
- 校務分掌
- 学校行事の準備
- 部活動
など、多くの仕事があります。
特に若手の場合、経験が少ないため、一つ一つの仕事に時間がかかります。
ベテラン教員なら30分で終わる仕事に、1時間以上かかってしまうこともあります。
その結果、勤務時間が終わっても仕事が終わらず、「一体いつになったら帰れるんだろう」と感じてしまうことがあります。
②授業準備に時間がかかる
若手教員にとって、授業準備は大きな負担になりやすい仕事です。
授業をするためには、教材を準備し、授業の流れを考え、板書やプリントを用意しなければなりません。
さらに、一度作った授業がうまくいかなければ、次回に向けて改善する必要があります。
特に初めて担当する教科や学年では、準備にかなりの時間がかかることがあります。
「授業のために帰宅後も仕事をしている」という状態が続くと、疲労も蓄積していきます。
③授業がうまくいかない
「生徒が話を聞いてくれない」
「授業中に私語が多い」
「予定していた内容まで終わらない」
「質問されても答えられない」
このように、授業に悩む若手教員もいます。
教員になったばかりなら、授業が思い通りに進まないのは決して珍しいことではありません。
しかし、毎日のように失敗が続くと、
「自分は教員に向いていないのでは?」
と自信を失ってしまうことがあります。
④学級経営が難しい
担任を持つ若手教員にとって、学級経営も大きな壁になります。
生徒同士のトラブル、ルールを守らない生徒、授業中の問題行動など、さまざまな問題に対応する必要があります。
経験が少ない状態で次々と問題が起こると、「どう対応すればいいのか分からない」と感じてしまいます。
さらに、クラス全体をまとめなければならないというプレッシャーもあります。
⑤保護者対応が怖い
若手教員にとって、保護者とのやり取りは大きなストレスになることがあります。
電話対応や面談、学校生活についての相談など、さまざまな場面で保護者とコミュニケーションを取る必要があります。
「この言い方で大丈夫かな」
「クレームになったらどうしよう」
と考えすぎてしまい、保護者からの連絡を見るだけで緊張してしまうこともあります。
経験を積むことで対応方法を身につけていく部分もありますが、若手のうちは特に負担を感じやすいでしょう。
⑥職員室の人間関係がつらい
教員の仕事は、生徒との関係だけではありません。
同じ職場で働く同僚や管理職との人間関係もあります。
例えば、
- 質問したいけれど忙しそうで聞けない
- 先輩教員に気を遣う
- 管理職との関係がうまくいかない
- 職員室で孤立しているように感じる
- 自分だけ仕事が遅いように感じる
といった悩みです。
学校は閉鎖的な環境になりやすい場合もあるため、職場の人間関係が合わないと、仕事そのもの以上につらく感じることがあります。
⑦「若手だから頑張らなければ」というプレッシャー
若手教員は、「新人だから頑張らなければ」と考えてしまいがちです。
先輩教員より仕事が遅いと、「自分は能力が低いのではないか」と悩んでしまうこともあります。
しかし、経験年数が違えば仕事のスピードに差があるのは当然です。
1年目の教員が10年目の教員と同じように仕事をできる必要はありません。
⑧仕事とプライベートを分けられない
若手教員が「休んでいるのに休めない」と感じる原因の一つが、仕事とプライベートの境界が曖昧になることです。
帰宅後に授業準備をしたり、休日に教材研究をしたりすると、自由な時間が少なくなります。
休日になっても、
「月曜日の授業どうしよう」
「明日の準備をしなければ」
と仕事のことを考えてしまうこともあります。
こうした状態が続くと、十分に休めないまま次の勤務日を迎えることになります。
⑨思っていた「教員」と現実のギャップ
教員になる前は、
「生徒とたくさん話したい」
「楽しい授業をしたい」
「生徒の成長を支えたい」
という理想を持っていた人も多いでしょう。
しかし、実際に働いてみると、授業以外の事務作業や対応業務に多くの時間を使うことがあります。
その結果、
「自分がやりたかった教員の仕事と違う」
と感じることがあります。
⑩「この働き方を何十年も続けるの?」と不安になる
若手教員の中には、仕事に慣れていないこと以上に、将来への不安を感じる人もいます。
「今でもこんなに忙しいのに、これを何十年も続けるの?」
「30代、40代になったらどうなるんだろう?」
「もっと自分に合った仕事があるのでは?」
と考えてしまうのです。
このような疑問を持つこと自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、若いうちに自分のキャリアについて考えるきっかけになります。
「辞めたい」と思ったら、まず原因を分けて考えよう
「教員を辞めたい」と思ったときは、すぐに退職を決めるのではなく、まず何が一番つらいのかを整理してみましょう。
| 悩み | 考えられる選択肢 |
|---|---|
| 仕事量が多い | 業務の整理・周囲への相談 |
| 人間関係がつらい | 相談・異動・転職 |
| 授業が難しい | 先輩への相談・授業改善 |
| 教員自体が合わない | 転職を検討 |
| 心身の負担が大きい | 早めに周囲や専門家へ相談 |
「今の学校が嫌」なのか「教員が嫌」なのか

退職を考えるとき、特に重要なのがこの違いです。
今の学校が嫌な場合
→ 人間関係や学校の環境が原因なら、異動などによって状況が変わる可能性があります。
教員という仕事自体が嫌な場合
→ 学校を変えても仕事内容は大きく変わらないため、転職を含めて考える必要があります。
仕事に慣れていないことが原因の場合
→ 経験を積むことで負担が減る可能性があります。
若手教員は「辞めたい」と思ったらどうすればいい?
①悩みを紙に書き出す
頭の中だけで考えていると、さまざまな不満が混ざってしまいます。
「何が嫌なのか」「いつつらいのか」「どうなれば続けられるのか」を書き出してみましょう。
②信頼できる人に相談する
一人で抱え込まず、信頼できる同僚、家族、友人などに相談するのも方法です。
自分では気づかなかった選択肢が見えてくることがあります。
③転職先を調べてみる
「教員を辞めたい」と思っても、すぐに退職する必要はありません。
まず求人を見て、どんな仕事があるのかを知るだけでも構いません。
教員以外の仕事を知ることで、「やっぱり教員を続けたい」と思うこともあれば、「こんな仕事をやってみたい」と思うこともあります。
④異動という選択肢も考える
仕事内容そのものではなく、現在の学校や職場環境が原因なら、退職ではなく異動という方法もあります。
「教員を辞める」だけが解決策ではありません。
それでも辞めたいなら、退職を選んでもいい
さまざまな方法を考えても、
「やっぱり教員を続けたいと思えない」
のであれば、退職を選択肢に入れてもよいでしょう。
教員として採用されたからといって、必ず定年まで働かなければならないわけではありません。
一度教員として働いた経験は、転職後にも活かせる可能性があります。
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- 文章作成能力
- スケジュール管理能力
- 人との調整能力
- 問題解決能力
などは、さまざまな仕事で活かせるでしょう。
若手教員が退職を考えるときに注意したいこと

退職を決める前に、次の点は確認しておきましょう。
- 退職後に何をするのか
- 転職する場合は求人を調べたか
- 退職後の生活費を確保できるか
- 有給休暇の残日数
- 退職に関する勤務先の規定
- 必要な書類や手続き
特に、転職先が決まっていない状態で退職する場合は、生活費について事前に考えておくことが大切です。
まとめ|「辞めたい」と感じることは甘えではない
若手教員が「もう辞めたい」と感じる理由には、さまざまなものがあります。
若手教員が辞めたいと感じる主な理由
- 仕事量が多い
- 授業準備に時間がかかる
- 授業がうまくいかない
- 学級経営が難しい
- 保護者対応が大変
- 職員室の人間関係がつらい
- 若手だから頑張らなければというプレッシャー
- 仕事とプライベートを分けられない
- 理想と現実のギャップがある
- 将来もこの働き方を続けることに不安を感じる
特に若手のうちは、仕事に慣れていないため、すべての業務が大変に感じられることがあります。
そのため、「今の大変さは経験によって軽くなるのか」「それとも教員という仕事そのものが自分に合っていないのか」を分けて考えることが重要です。
そして、「辞めたい」と感じたからといって、それが甘えや失敗というわけではありません。
教員を続けることも、異動することも、転職することも、それぞれ一つの選択肢です。
まずは自分が何に悩んでいるのかを整理し、これからどのような働き方をしたいのかを考えてみましょう。
※教員の勤務状況や業務内容は、学校種・自治体・学校によって異なります。退職や休職などを検討する場合は、勤務先の規定を確認し、必要に応じて管理職や専門機関などに相談してください。
