「常勤講師として働くと年収はいくらになるの?」
「正規教員と比べて給料は安い?」
「ボーナスや退職金はもらえる?」
教員採用試験に合格する前に、まず常勤講師として学校現場で働くことを考えている人も多いでしょう。
常勤講師は、非常勤講師とは違って基本的にフルタイムで勤務する講師です。
そのため、年収も非常勤講師より高くなりやすく、自治体によっては正規教員に近い給与体系が適用されます。
この記事では、常勤講師の月収・年収・ボーナス・手取りの目安について、具体的な数字を使って分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 常勤講師の年収の目安
- 常勤講師の月収の目安
- 常勤講師のボーナスについて
- 常勤講師の退職金について
- 30歳前後の常勤講師の年収イメージ
- 正規教員と常勤講師の違い
- 常勤講師として働くメリット・デメリット
常勤講師とは?
常勤講師とは、簡単にいうと学校でフルタイム勤務する講師です。
例えば京都市では、常勤講師について「毎日、フルタイムで勤務する講師」と説明されており、原則として月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時まで勤務します。
大阪市でも、常勤講師は週38時間45分、原則として月曜日から金曜日まで勤務するフルタイムの職員とされています。
つまり、勤務時間だけを見ると、正規教員にかなり近い働き方です。
一方で、常勤講師は正規採用された「教諭」とは任用形態が異なり、産休・育休の代替や欠員補充など、一定期間の任用となるケースがあります。
常勤講師の年収はどれくらい?
常勤講師の年収は自治体や経験年数によって異なりますが、大学新卒の場合、ざっくり年収400万円前後からスタートするケースが考えられます。
経験年数が増えると月給も上がるため、30代では年収450~550万円程度になるケースもあります。
ただし、これは全国共通の金額ではありません。
自治体によって給与表や手当、賞与の支給条件などが異なるため、あくまで目安として考えてください。
実際の常勤講師の月収例
現在の自治体の募集情報を見ると、常勤講師の給与はかなり具体的に確認できます。
京都市の例
京都市では、令和8年1月時点の常勤講師の月額給与について、次のように示されています。
| 学歴 | 月額給与 |
|---|---|
| 修士課程新卒 | 約31万7,000円 |
| 大学新卒 | 約30万6,500円 |
| 短大新卒 | 約28万7,600円 |
この金額には、給料のほか、教職調整額、地域手当、義務教育等教員特別手当が含まれています。
京都府の例
京都府では、2026年4月現在、大学新卒の常勤講師は月額約29万6,000円とされています。経験年数や勤務する地域・校種などによって加算される場合もあります。
大阪市の例
大阪市では、2026年4月現在、4年制大学新卒の常勤講師について、小中学校勤務の場合で月額約29万6,700円とされています。
福島県の例
福島県立学校の常勤講師では、4年制大学新卒の例として、令和7年度に月額26万1,768円という給与例が示されています。
さらに、扶養手当、住居手当、通勤手当、期末勤勉手当、退職手当などの制度があります。
このように、自治体によって初任時の給与には差があります。
常勤講師の年収をざっくり計算すると?
例えば月額30万円の常勤講師として1年間勤務したとします。
単純に給与だけを計算すると、
30万円 × 12か月 = 360万円
となります。
しかし、実際にはこれに期末・勤勉手当(ボーナス)などが加わります。
そのため、年間の総支給額は400万円台になる可能性があります。
ポイント
常勤講師の年収を考えるときは、「月給×12」だけではなく、期末・勤勉手当や通勤手当、住居手当なども含めて考える必要があります。
常勤講師の年収目安
あくまで一般的な目安として考えると、常勤講師の年収は次のようなイメージになります。
| 年齢・経験 | 月収の目安 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 新卒・20代前半 | 約27~31万円 | 約380~450万円 |
| 20代後半 | 約29~33万円 | 約410~480万円 |
| 30代前半 | 約31~36万円 | 約440~520万円 |
| 30代後半 | 約33~39万円 | 約470~560万円 |
※上記は複数自治体の給与例などを参考にした大まかな目安です。実際の金額は自治体、学歴、職歴、校種、手当、任用期間などによって変わります。
常勤講師はボーナスをもらえる?
はい。常勤講師でも、条件を満たせば期末・勤勉手当が支給される自治体があります。
例えば京都市では、常勤講師について期末手当・勤勉手当が年2回、6月と12月に支給されるとしています。
また、福岡県では常勤講師について、正規職員に準じて期末・勤勉手当が支給されることが案内されています。
そのため、常勤講師の場合は「毎月の給料」だけではなく、ボーナスを含めて年収を考えることが重要です。
常勤講師のボーナスはいくら?
ボーナスの金額は自治体や勤務期間によって変わります。
例えば、年間の期末・勤勉手当を仮に4.5か月分とすると、月額30万円の場合、単純計算では、
30万円 × 4.5か月 = 135万円
となります。
月給360万円分と合わせると、
360万円 + 135万円 = 約495万円
となります。
ただし、実際の支給月数や在職期間による調整などがあるため、すべての常勤講師がこの金額をもらえるわけではありません。
常勤講師には退職金もある?
常勤講師の場合、一定の条件を満たすことで退職手当が支給される自治体があります。
例えば京都府では、常勤講師として引き続き6か月以上勤務した場合、退職手当が支給されるとされています。
福島県でも、常勤講師について勤続6か月以上の場合に退職手当があると案内されています。
ただし、退職手当の計算方法や支給条件は自治体によって異なります。
「常勤講師だから必ず退職金がもらえる」と考えるのではなく、勤務する自治体の制度を確認しましょう。
常勤講師の手取りはいくら?
年収500万円の常勤講師でも、500万円すべてが手元に残るわけではありません。
給与からは、所得税、住民税、共済組合・厚生年金などの社会保険料、雇用保険料などが差し引かれる場合があります。
例えば月収30万円の場合、実際の手取りはおおよそ23~26万円程度になることがあります。
ただし、扶養家族の有無、住民税、年齢、社会保険料などによって変わるため、あくまで目安です。
| 総支給月収 | 手取り目安 |
|---|---|
| 28万円 | 約22~24万円 |
| 30万円 | 約23~26万円 |
| 33万円 | 約25~28万円 |
| 36万円 | 約27~30万円 |
なお、住居手当や通勤手当などが支給される場合は、実際の給与明細上の金額はさらに変わります。
常勤講師と正規教員の年収はどれくらい違う?
常勤講師と正規教員は、どちらもフルタイムで学校勤務をするため、給与面ではかなり近い場合があります。
特に自治体によっては、常勤講師にも正規職員に準じた給与や手当が支給されます。
例えば福岡県では、常勤講師について「正規職員に準じて」基本給や諸手当、期末・勤勉手当、条件を満たした場合の退職手当などが支給されると案内されています。
| 項目 | 常勤講師 | 正規教員 |
|---|---|---|
| 勤務時間 | フルタイム | フルタイム |
| 月給 | 比較的近い場合がある | 給与表に基づく |
| ボーナス | 条件により支給 | 支給 |
| 退職手当 | 条件により支給 | 制度あり |
| 雇用の安定性 | 任用期間あり | 原則として定年まで |
このように、給与だけを見ると常勤講師と正規教員の差が小さい場合もあります。
一方で、最も大きな違いは「雇用の安定性」です。
常勤講師として働くメリット
①正規教員に近い収入を得られる
常勤講師はフルタイム勤務なので、非常勤講師よりも安定した収入を得やすい働き方です。
自治体によっては、正規職員に準じた給与やボーナスが支給されることもあります。
②学校現場を本格的に経験できる
常勤講師は授業だけでなく、学級経営や校務など、学校現場のさまざまな仕事を経験することがあります。
教員採用試験に合格した後の仕事を具体的にイメージできるようになるのも大きなメリットです。
③教員採用試験に向けた経験になる
自治体によっては、講師経験者を対象とした特別選考などを実施している場合があります。
また、実際に学校で働くことで、面接や論作文などで話せる具体的な経験を増やすこともできます。
④社会保険などの制度を利用できる
常勤講師は一定期間フルタイムで勤務するため、社会保険などの制度の対象となるケースがあります。
例えば京都府では、一定の任用期間を満たす常勤講師について共済組合の短期給付や厚生年金への加入について案内しています。
常勤講師のデメリット
①正規教員とは違い任用期間がある
常勤講師の大きなデメリットは、基本的に任用期間が定められていることです。
産休代替や育休代替、欠員補充などの場合、その教員が復帰すると任用が終了することがあります。
そのため、正規教員と比べると雇用が安定しているとは言いにくいでしょう。
②仕事内容が正規教員に近いことがある
常勤講師はフルタイム勤務なので、学校によっては正規教員とかなり近い仕事を担当することがあります。
場合によっては、学級担任を担当することもあります。
「非常勤講師のように授業だけを担当する仕事」と考えていると、想像していたより忙しいと感じる可能性があります。
③翌年度の仕事が保証されるわけではない
現在の学校で評価されていても、翌年度も同じ学校で働けるとは限りません。
また、任用の事情によっては次年度の勤務先が変わることもあります。
常勤講師はどんな人におすすめ?
常勤講師は、次のような人におすすめです。
- 教員採用試験に合格する前に学校現場を経験したい人
- 非常勤講師より安定した収入がほしい人
- 正規教員に近い働き方を経験したい人
- 教員採用試験の面接で話せる経験を増やしたい人
- 将来的に正規教員を目指している人
- 学校現場で働きながら教員採用試験を目指したい人
常勤講師の年収まとめ
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 大学新卒の月収 | 約27~31万円 |
| 大学新卒の年収 | 約380~450万円 |
| 30代の年収 | 約450~550万円程度 |
| ボーナス | 自治体・勤務期間等により支給 |
| 退職手当 | 一定条件を満たす場合に支給される自治体あり |
常勤講師の年収は、ざっくり考えると新卒で400万円前後、経験を積むと450~550万円程度が一つの目安になります。
ただし、自治体によって給与表や手当、賞与、退職手当の制度が異なるため、実際の年収にはかなり差があります。
例えば京都市では大学新卒の常勤講師が月額約30万6,500円、京都府では約29万6,000円、大阪市では約29万6,700円という給与例が公表されています。
また、常勤講師は非常勤講師と比べて勤務時間が長い一方、給与やボーナス、社会保険、退職手当などの面では比較的充実している場合があります。
この記事のまとめ
- 常勤講師は基本的にフルタイムで勤務する講師
- 大学新卒の場合、月収は約27~31万円程度が一つの目安
- 年収はボーナスを含めて約380~450万円程度からスタートするケースがある
- 30代になると年収450~550万円程度になる場合もある
- 期末・勤勉手当が支給される自治体がある
- 一定の条件を満たすと退職手当が支給される自治体もある
- 給与は自治体・学歴・職歴・勤務期間などによって変わる
- 正規教員と給与面で近い場合もあるが、雇用の安定性には違いがある
※本記事の年収・月収は目安です。実際の給与、手当、期末・勤勉手当、退職手当、社会保険などの条件は自治体や任用形態、職歴、勤務期間によって異なります。採用を検討する際は、必ず勤務を希望する自治体の最新の募集要項をご確認ください。
