【近代美術】シュルレアリスムとは?特徴・代表的な作家と作品をわかりやすく解説 |美術教員採用試験対策

シュルレアリスム(Surrealism)は、1920年代にフランスを中心に始まった芸術運動です。

「現実を超えたもの」「夢や無意識の世界」を表現しようとしたことが大きな特徴で、美術だけでなく文学、映画、写真など幅広い分野に影響を与えました。

美術教員採用試験では、シュルレアリスムの特徴・代表的な作家・作品を組み合わせて問われることがあります。

    目次

    シュルレアリスムとは?

    シュルレアリスムとは、合理的な現実世界を超えて、夢・無意識・幻想などを表現しようとした芸術運動です。

    日本語では「超現実主義」と訳されます。

    1924年、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが発表した『シュルレアリスム宣言』をきっかけに、シュルレアリスムという運動が本格的に展開していきました。

    シュルレアリスムの芸術家たちは、通常の論理や常識から解放された表現を目指しました。

    シュルレアリスムが生まれた背景

    シュルレアリスムを理解するうえで重要なのが、第一次世界大戦後の社会状況です。

    第一次世界大戦によって、それまでの社会や価値観に対する疑問が強まりました。

    また、精神分析学者ジークムント・フロイトの「無意識」に関する思想も、シュルレアリスムに大きな影響を与えました。

    シュルレアリストたちは、人間の理性だけでは捉えられない夢や無意識の世界に芸術表現の可能性を見出しました。

    シュルレアリスムの特徴

    ① 夢や無意識を表現する

    シュルレアリスムでは、夢の中で見るような不思議な世界が作品に登場します。

    現実にはあり得ない組み合わせや、通常とは異なる空間を描くことで、無意識の世界を表現しました。

    ② 現実にはあり得ない組み合わせ

    シュルレアリスムの作品では、現実には存在しない組み合わせが頻繁に登場します。

    例えば、普通の場所に巨大な物体が置かれていたり、物体の大きさや位置が現実とは異なっていたりします。

    こうした表現によって、見る人に違和感や不思議な感覚を与えます。

    ③ 偶然性を利用する

    シュルレアリスムでは、作者が完全に意図して描くのではなく、偶然に生まれた形やイメージを作品に取り入れる方法も用いられました。

    代表的な技法には、次のようなものがあります。

    • 自動記述(オートマティスム)
    • フロッタージュ
    • デカルコマニー
    • コラージュ
    • デペイズマン

    ④ デペイズマン

    デペイズマンは、物体を本来とは異なる場所に置くことで、見る人に違和感や驚きを与える表現方法です。

    シュルレアリスムを理解するうえで重要な用語なので、教員採用試験対策として覚えておきましょう。

    シュルレアリスムの代表的な作家と作品

    サルバドール・ダリ

    サルバドール・ダリは、シュルレアリスムを代表するスペイン出身の画家です。

    現実にはあり得ない風景や、柔らかく溶けたような時計など、非常に印象的なイメージを描きました。


    代表作:『記憶の固執』

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    『記憶の固執』では、風景の中に柔らかく垂れ下がった時計が描かれています。

    現実には存在しない不思議な光景によって、時間や記憶に対する独特のイメージを表現しています。

    ルネ・マグリット

    ルネ・マグリットは、ベルギーを代表するシュルレアリスムの画家です。

    日常的な物を描きながら、物と名前、現実とイメージの関係を問い直すような作品を制作しました。


    代表作:『イメージの裏切り』

    作品解説 ルネ マグリット イメージの裏切り

    特に『イメージの裏切り』に描かれたパイプと「これはパイプではない」という関係は、現実の物体と、それを表すイメージや言葉の違いを考えさせる作品として重要です。

    ジョアン・ミロ

    代表作:『農園』

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    Joan Miró (1893-1983) LA MASIA – 1921-1922 – O/L – 123,8 x 141,3 cm. Credit: Album / Oronoz

    『オランダの室内Ⅰ』

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    ジョアン・ミロは、スペイン・カタルーニャ出身の画家です。

    自由な線や色、記号のような形を用いた独自の表現を展開しました。

    マックス・エルンスト

    マックス・エルンストは、ドイツ出身の芸術家で、ダダやシュルレアリスムの重要な作家です。

    特に、偶然によって生まれた模様を利用するフロッタージュを考案したことで知られています。
    代表作:『百頭女』

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    アンドレ・ブルトン

    アンドレ・ブルトンは、シュルレアリスムの中心人物です。

    1924年に『シュルレアリスム宣言』を発表しました。

    画家というよりも文学者・詩人として知られますが、シュルレアリスムの成立を理解するうえで非常に重要な人物です。

    代表的著作:『シュルレアリスム宣言』

    サルバドール・ダリ以外にも覚えておきたい作家

    • ルネ・マグリット
    • ジョアン・ミロ
    • マックス・エルンスト
    • アンドレ・ブルトン
    • イヴ・タンギー
    • マン・レイ
    • メレット・オッペンハイム
    • レオノール・フィニ

    代表作家と作品まとめ

    作家代表作品・関連作品覚えておきたいポイント
    サルバドール・ダリ『記憶の固執』溶けた時計・夢のような世界
    ルネ・マグリット『イメージの裏切り』『人の子』現実とイメージの関係
    ジョアン・ミロ『農園』『オランダの室内Ⅰ』自由な線・記号的な形
    マックス・エルンスト『百頭女』フロッタージュ
    アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言』シュルレアリスム運動の中心人物

    シュルレアリスムとダダの違い

    教員採用試験では、シュルレアリスムとダダを関連づけて問われることがあります。

    ダダは第一次世界大戦中から展開された芸術運動で、既存の芸術や社会の価値観を否定・批判する姿勢を持っていました。

    一方、シュルレアリスムはダダなどの流れを受けながら、夢や無意識、偶然性などを利用して新しい表現を追求していきました。

    試験対策として覚えるなら

    ダダ → 既存の芸術・価値観への反発
    シュルレアリスム → 夢・無意識・偶然性の表現

    シュルレアリスムで重要な技法

    フロッタージュ

    凹凸のある物の上に紙を置き、鉛筆などでこすることで、表面の模様を写し取る技法です。

    マックス・エルンストが発展させた技法として覚えておきましょう。

    デカルコマニー

    絵の具を紙などに塗り、別の紙を押し付けたり折り合わせたりして、偶然に生まれる模様を利用する技法です。

    自動記述(オートマティスム)

    理性や意識によるコントロールをできるだけ抑え、無意識から生まれる言葉やイメージを表現しようとする方法です。

    コラージュ

    新聞や雑誌、写真などの異なる素材を組み合わせ、新しいイメージをつくる技法です。

    美術教員採用試験で覚えておきたいポイント

    ★ 最低限覚えておきたい組み合わせ

    • シュルレアリスム → 1920年代 → フランス
    • アンドレ・ブルトン → 『シュルレアリスム宣言』
    • サルバドール・ダリ → 『記憶の固執』
    • ルネ・マグリット → 『イメージの裏切り』
    • ジョアン・ミロ → 『農園』
    • マックス・エルンスト → フロッタージュ
    • 重要なキーワード → 夢・無意識・偶然性
    • デペイズマン → 本来とは異なる場所に物を置く表現

    目次