「教員採用試験に落ちてしまった……」
「もう一度受験したいけれど、来年まで何をすればいいんだろう?」
「臨時採用教員として働きながら、もう一度教員採用試験を受けるのはあり?」
教員採用試験に不合格になった後、このように悩む人は少なくありません。
結論からいうと、教員採用試験に落ちた後に臨時採用教員として働くことは、十分に選択肢の一つになります。
実際に学校現場で働きながら、次の教員採用試験を目指すという方法もあります。
ただし、臨時採用教員にはメリットだけでなく、注意しておきたい点もあります。
この記事では、教員採用試験に落ちた人が臨時採用教員になるメリット・デメリットや、働きながら再受験するときのポイントについて解説します。
そもそも臨時採用教員とは?
臨時採用教員とは、各自治体の教育委員会などに採用され、一定期間、学校で教員として勤務する職員のことです。
名称や任用形態、勤務条件などは自治体によって異なります。
例えば、産休・育休を取得する教員の代替や、病休などで長期間勤務できない教員の代替、欠員の補充など、さまざまな理由で募集されることがあります。
「正規採用ではないから、教師としての経験にならない」ということではありません。
実際の学校現場で、生徒と関わったり、授業を担当したりする機会があります。
そのため、将来的に正規採用の教員を目指している人にとって、現場経験を積む一つの方法になります。
教員採用試験に落ちたら、臨時採用教員になるのはあり?
「あり」です。
特に、
- もう一度教員採用試験を受けたい
- 学校現場での経験を積みたい
- 教師の仕事を実際に経験してみたい
- 面接や授業に自信をつけたい
という人には、検討する価値があります。
ただし、臨時採用教員として働けば必ず次の試験に合格できるわけではありません。
「働きながら何を身につけ、どう次の試験につなげるか」を考えておくことが大切です。
臨時採用教員になるメリット
① 実際の学校現場を経験できる
大きなメリットの一つが、学校現場を実際に経験できることです。
教員採用試験の勉強だけでは分からないことを、現場で学ぶことができます。
例えば、
- 授業の進め方
- 生徒との関わり方
- 学級経営
- 職員室での仕事
- 保護者との関わり
- 学校行事
- 他の教員との連携
などです。
これらの経験は、次回の面接でも活かせる可能性があります。
② 面接で話せる経験が増える
教員採用試験の面接では、これまでの経験について質問されることがあります。
臨時採用教員として実際に学校で働いていれば、具体的な経験をもとに話せるようになります。
例えば、
「生徒との関係づくりで意識したこと」
「授業で工夫したこと」
「生徒への対応で悩んだこと」
など、自分自身の経験を話せるようになります。
これは、大学生の頃にはなかなか持てなかった経験です。
③ 教師という仕事が自分に合っているか分かる
「教師になりたい」と思っていても、実際に働いてみなければ分からないことがあります。
臨時採用教員として働くことで、
「やっぱり教師になりたい」
と改めて思うかもしれません。
反対に、
「思っていた仕事と違った」
と感じる可能性もあります。
どちらも大切な発見です。
採用試験に合格する前に、実際の仕事を経験できるというのは大きな意味があります。
④ 給与を得ながら経験を積める
臨時採用教員として採用されれば、勤務に応じて給与が支給されます。
ただし、給与や手当、勤務条件などは自治体や任用形態、勤務内容などによって異なります。
「来年の試験までアルバイトをしながら勉強する」という選択肢と比較して、自分に合った働き方を考えてみましょう。
⑤ 教員採用試験の勉強に説得力が出る
学校現場を経験すると、教職教養や面接で扱われるテーマについても、実感を持って考えられるようになります。
例えば「生徒理解」という言葉を勉強するときも、実際の生徒との関わりを経験しているかどうかで、考え方が変わるかもしれません。
単なる知識ではなく、自分の経験と結びつけて考えられるようになることは大きなメリットです。
臨時採用教員になるデメリット
一方で、注意したいこともあります。
① 勉強時間を確保しにくい
これは非常に大きなポイントです。
学校で働きながら教員採用試験の勉強をする場合、当然ながら自由に使える時間は減ります。
授業準備や採点、学校行事などで忙しくなることもあるでしょう。
そのため、
「働けば自然と合格できる」と考えるのは危険です。
仕事と試験勉強を両立するための計画が必要になります。
② 思っていた以上に忙しいことがある
「臨時採用だから仕事量は少ないだろう」と考えていると、ギャップを感じるかもしれません。
任される仕事内容や勤務時間は、勤務先や任用形態などによって異なります。
そのため、採用前に勤務条件や担当業務について確認しておくことが大切です。
③ 次の試験対策がおろそかになる可能性がある
学校現場で働くこと自体が楽しくなり、試験勉強が後回しになってしまうこともあります。
特に、仕事を始めたばかりの頃は覚えることが多く、試験勉強まで手が回らなくなる可能性があります。
臨時採用教員になるのであれば、「働くこと」と「次の試験に合格すること」の両方を意識しておくことが重要です。
臨時採用教員をしながら合格を目指すなら
おすすめなのは、最初から無理な勉強計画を立てないことです。
例えば、
平日
- 30分~1時間:専門教養
- 通勤時間:教職教養の暗記
休日
- 過去問演習
- 論作文
- 面接練習
- 実技練習
というように、限られた時間を使って勉強します。
毎日3~4時間勉強することが難しくても、少しずつ継続することが大切です。
臨時採用教員の経験は面接でどう活かせる?
例えば、面接で、
「教師として大切にしていることは何ですか?」
と聞かれたとします。
学校現場を経験していなければ、教育書や大学の授業などから答えを考えることになるでしょう。
しかし、実際に働いた経験があれば、
「臨時採用教員として〇〇という生徒と関わった経験から、私は〇〇を大切にしています」
というように、具体的な経験をもとに答えることができます。
もちろん、経験があるだけで合格できるわけではありません。
しかし、具体的なエピソードを自分の言葉で話せることは、面接対策をするうえで大きな財産になります。
「臨時採用になったら負け」ではない
教員採用試験に落ちた直後は、周りの合格者を見て落ち込んでしまうことがあります。
「自分は正規採用になれなかった」
「臨時採用で働くのは負けみたいで嫌だ」
と感じる人もいるかもしれません。
でも、そんなふうに考える必要はありません。
臨時採用教員として働くことは、教員としてのキャリアをスタートさせる一つの方法です。
学校現場で経験を積みながら、次の試験に向けて準備することもできます。
一度不合格になったからといって、教師になる道が閉ざされたわけではありません。
それでも、無理に臨時採用教員になる必要はない
ここも大切なポイントです。
「教員採用試験に落ちたから、絶対に臨時採用教員にならなければいけない」というわけではありません。
例えば、
- 大学院に進学する
- 別の仕事をしながら再受験する
- アルバイトをしながら勉強する
- 非常勤講師など別の働き方を検討する
- 一度就職してから改めて受験する
など、さまざまな選択肢があります。
大切なのは、自分の生活や体力、勉強時間、将来の目標に合った方法を選ぶことです。
臨時採用教員に向いている人
特に次のような人は、臨時採用教員として働くことを検討してみてもよいでしょう。
- 教師の仕事を実際に経験してみたい
- 学校現場での経験を積みたい
- 次回の教員採用試験を受けるつもりでいる
- 面接で話せる経験を増やしたい
- 授業経験を積みたい
- 生徒との関わり方を学びたい
反対に、「とにかく勉強時間を確保して次の試験に集中したい」という人は、働き方を慎重に考えたほうがよいでしょう。
教員採用試験に落ちたあなたへ
もし今、教員採用試験に落ちてしまって、何をすればいいのか分からないのであれば、焦らなくても大丈夫です。
一度不合格になったからといって、教師になる夢を諦める必要はありません。
臨時採用教員として現場に出ることもできます。
もう一度勉強して再挑戦することもできます。
別の仕事を経験してから、改めて教師を目指すこともできます。
大切なのは、「落ちた=終わり」と考えないことです。
むしろ、ここからどんな経験を積むかによって、次の試験に向けて成長することもできます。
まとめ:臨時採用教員は「あり」。でも自分に合った選択を
教員採用試験に落ちた後、臨時採用教員として働くことは、十分にあり得る選択肢です。
学校現場を経験できることや、授業・生徒との関わりを実際に経験できることは、大きなメリットです。
一方で、仕事と試験勉強の両立が難しくなる可能性もあるため、勤務条件や仕事内容を確認し、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
そして何より、
「教員採用試験に落ちたから臨時採用になる」のではなく、「次のステップとして臨時採用という道を選ぶ」
と考えてみてください。
不合格は、あなたの教師としての価値を決めるものではありません。
今は悔しくても、その経験が次の挑戦につながることがあります。
まだ終わっていません。
あなたに合った方法で、もう一度教師を目指していけば大丈夫です。
