「教員を辞めたいけれど、何から始めればいいのか分からない」
「退職したいと校長にどう伝えればいい?」
「教員は年度途中でも辞められるの?」
このように、教員を辞めたいと思っていても、実際の退職手続きについては分からないことが多いのではないでしょうか。
教員の退職は、一般企業と同じように進められる部分もありますが、公立学校の教員と私立学校の教員では手続きが異なる場合があります。
この記事では、教員を辞めることを考えている人に向けて、退職を決めてから実際に退職するまでの流れをできるだけ簡単にまとめます。
この記事で分かること
- 教員を辞めるまでの基本的な流れ
- 退職を誰に伝えるのか
- 退職を伝えるタイミング
- 退職届・退職願について
- 年度途中でも辞められるのか
- 退職前に確認しておきたいこと
教員を辞めるまでの基本的な流れ
教員を退職する場合、大まかな流れは次のようになります。
教員を辞めるまでの流れ
- 退職する意思を固める
- 就業規則や自治体の規定を確認する
- 管理職に退職の意思を伝える
- 退職時期について相談する
- 必要な書類を提出する
- 引き継ぎを行う
- 退職に関する手続きを行う
- 退職する
実際の手続きや必要書類、申し出る時期などは、公立・私立の違いや自治体、学校の規定によって異なるため、最終的には勤務先のルールを確認することが大切です。
①まず「本当に辞めるのか」を考える
最初に考えたいのは、「本当に教員を辞めたいのか」ということです。
「仕事が忙しい」「人間関係がつらい」「保護者対応が大変」など、教員を辞めたい理由は人によって違います。
もし現在の学校や人間関係が原因であれば、退職ではなく異動によって環境が変わる可能性もあります。
一方で、「学校を変えても教員を続けたいとは思わない」という場合は、転職や退職を具体的に考えてもよいでしょう。
②退職に関する規定を確認する
退職を決めたら、まず勤務先の就業規則や退職に関する規定を確認しましょう。
特に確認したいのは次の項目です。
- 退職の申し出はいつまでに必要なのか
- 退職願・退職届が必要なのか
- 誰に提出するのか
- 退職日はどのように決めるのか
- 有給休暇をどう扱うのか
- 退職に必要な書類は何か
公立学校の教員の場合は、自治体の条例・規則などが関係する場合があります。
「一般企業では○日前に言えばいい」といった情報だけで判断せず、自分が勤務している自治体・学校のルールを確認することが重要です。
③まずは校長などの管理職に相談する
退職の意思が固まったら、一般的には校長などの管理職に退職について相談することになります。
いきなり職員室で退職を発表するのではなく、まずは管理職に個別に時間を取ってもらうとよいでしょう。
例えば、次のように伝えることができます。
退職を伝える例
「少しご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけますでしょうか。」
「今後の働き方について考えた結果、退職したいと考えています。」
「退職時期や必要な手続きについて、ご相談させていただければと思います。」
退職理由を詳しく説明する必要があるかどうかは状況によりますが、まずは退職したいという意思を明確に伝えることが大切です。
④退職時期を決める
次に、具体的な退職時期を決めます。
教員の場合、特に多いのが年度末での退職です。
学年が変わるタイミングで退職するため、学校側も人員配置やクラス編成などの計画を立てやすくなります。
ただし、必ず年度末まで働かなければならないという意味ではありません。
事情によっては年度途中での退職を検討することもあります。
教員は年度途中でも辞められる?
年度途中の退職が絶対にできないわけではありません。
ただし、教員の場合は担当する学級や授業、校務分掌などがあるため、退職時期について学校側と調整することになります。
年度途中に退職すると、学校側が代替の教員を探したり、担当業務を引き継いだりする必要があります。
そのため、年度途中の退職を考えている場合は、できるだけ早く管理職などに相談することが重要です。
また、心身の状態などから勤務を続けることが難しい場合は、無理に働き続けるのではなく、必要な相談先を利用することも大切です。
⑤退職願・退職届を提出する
退職時には、退職に関する書類を提出することになります。
ただし、「退職願」と「退職届」は同じものではありません。
退職願とは?
退職願は、退職したいという意思を申し出るための書類です。
勤務先によっては、退職に関する書類の様式が決められている場合があります。
退職届とは?
退職届は、退職することを届け出るための書類です。
どの書類が必要なのか、誰に提出するのかは勤務先によって異なるため、自分で判断して作成する前に、管理職や担当部署に確認すると安心です。
⑥退職までに引き継ぎをする
退職日が決まったら、担当している仕事の引き継ぎを行います。
例えば、
- 授業の進行状況
- 教材や資料
- 成績関連の資料
- 校務分掌
- 学校行事
- 担当している業務
- 必要なアカウント・データ
などを整理します。
引き継ぐ人が分かりやすいように、「何を・いつまでに・どのように行うのか」をまとめておくと親切です。
⑦有給休暇を確認する
退職前には、残っている年次有給休暇についても確認しておきましょう。
退職日までに取得できるのか、どのように申請するのかなどを担当者に確認します。
特に年度末に退職する場合は、残っている休暇の日数や取得時期について、早めに確認しておくと安心です。
⑧退職に必要な手続きを行う
退職日が近づいたら、勤務先から案内される各種手続きを行います。
例えば、
- 健康保険に関する手続き
- 年金に関する手続き
- 税金に関する手続き
- 給与・退職金関係の手続き
- 貸与物の返却
- 必要書類の受け取り
などがあります。
退職後に転職するのか、しばらく仕事をしないのかによって必要な手続きが変わる場合があります。
退職時に勤務先から案内される書類は、なくさないように保管しておきましょう。
教員を辞めるときに確認しておきたいこと
退職前チェックリスト
- □ 退職時期を決めた
- □ 管理職に退職の意思を伝えた
- □ 退職に必要な書類を確認した
- □ 有給休暇の残日数を確認した
- □ 引き継ぎ内容を整理した
- □ 学校から借りている物を確認した
- □ 退職金について確認した
- □ 健康保険について確認した
- □ 年金について確認した
- □ 退職後の仕事や生活について考えた
退職を伝えるときに注意したいこと
「もう辞めます」と突然伝えるより、相談の時間を作る
いきなり退職届を提出するよりも、まずは管理職に相談の時間を取ってもらうほうが、その後の手続きを進めやすい場合があります。
ただし、退職の意思が固まっている場合は、必要以上に曖昧な伝え方をする必要はありません。
「少し休みたい」ではなく、退職を決めているのであれば、「退職したいと考えています」と明確に伝えましょう。
引き止められることもある
教員を辞めたいと伝えると、管理職から「もう少し続けてみたら?」「来年度まで頑張れない?」などと引き止められることがあります。
学校側からすれば、人員確保や引き継ぎなどの問題があるためです。
しかし、自分の人生や今後の働き方について最終的に決めるのは自分自身です。
退職する意思が固まっているのであれば、感情的にならず、必要な手続きを確認しながら話を進めましょう。
教員を辞める前に「次の仕事」を決めるべき?
可能であれば、退職後の生活について事前に考えておくことをおすすめします。
特に重要なのが「退職後の収入をどうするか」です。
転職するのであれば、在職中から求人を探しておく方法があります。
一方で、「少し休んでから次の仕事を探したい」という人もいるでしょう。
どちらが正解というわけではありませんが、退職後に収入がなくなる可能性を考えて、生活費を準備しておくことが大切です。
教員を辞めた後の選択肢
教員を退職した後は、必ずしも一般企業に転職する必要はありません。
- 一般企業へ転職する
- 教育系企業へ転職する
- 学習塾・予備校で働く
- 非常勤講師として働く
- 常勤講師として働く
- 大学・学校職員を目指す
- 資格取得などの勉強をする
- フリーランスとして働く
など、さまざまな選択肢があります。
「教員を辞めたら人生が終わる」ということはありません。
教員として身につけたコミュニケーション能力、説明力、資料作成能力、スケジュール管理能力、人を育てる力などは、別の仕事でも活かすことができます。
教員を辞めるなら、焦って決めなくてもいい
「教員を辞めたい」と思ったとき、すぐに退職届を書く必要はありません。
まずは、
「なぜ辞めたいのか」
「辞めた後にどうしたいのか」
を整理してみましょう。
今の学校がつらいのであれば異動、教員という働き方そのものが合わないのであれば転職、教員の仕事は好きだけれど勤務時間を減らしたいのであれば非常勤講師など、状況によって選択肢は変わります。
ただし、仕事によって心身の状態が悪化している場合は、無理をして退職時期まで耐え続ける必要はありません。必要に応じて、管理職や家族、専門家などに相談しながら、自分の健康を優先して考えましょう。
まとめ:教員を辞めるときは順番に手続きを進めよう
教員を辞めるときは、いきなり退職するのではなく、基本的には次のような流れで進めます。
- 退職する意思を固める
- 勤務先の退職規定を確認する
- 管理職に退職の意思を伝える
- 退職時期を相談する
- 必要な書類を提出する
- 引き継ぎを行う
- 退職に必要な手続きを行う
- 退職する
特に公立学校の教員の場合、自治体によって手続きや必要書類などが異なる場合があります。
そのため、インターネット上の一般的な情報だけで判断せず、勤務先の規定や担当部署に確認しながら進めることが大切です。
「教員を辞めたい」と思ったときは、退職そのものだけでなく、退職後にどのような生活をしたいのかまで考えておくと、より納得した選択をしやすくなります。
最後に
教員を辞めることは、これまでの努力を無駄にすることではありません。
教員として働いた経験を活かして、別の学校、教育系企業、一般企業など、新しい環境で働くこともできます。
「辞めるべきか、続けるべきか」で悩んでいる場合は、まず自分が何を変えたいのかを整理するところから始めてみましょう。
※教員の退職手続き、退職時期、必要書類、有給休暇、退職金、社会保険などの取り扱いは、任用形態や自治体・学校によって異なります。実際に退職する場合は、勤務先の最新の規定や担当部署にご確認ください。
